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よく噛んで食べる

主婦のブログです

小杉 座りのいい笑顔 で検索

友達の子供の七五三写真を見せてもらった。ピンクのお着物。もう3歳か〜早いな〜可愛いなあ〜!!

会社の営業さんも、ドレスアップした7歳の娘さん写真をデスクトップにしてる。

 

七五三。

神社で色々「良いことありますよーに」的な儀式をしてもらって、写真を撮って、とにかく元気に育った子供の成長を喜ぶイベント。

私にとって七五三は、図らずも自分自身を知る大切なイベントになった。

 

 

3歳はさすがに記憶にないが、7歳の写真撮影は今でも覚えてる。

両親は過保護で厳しい所はとことん厳しかったが、基本的に何をしても「可愛い可愛い」と褒める親だった。姉も私も、可愛い可愛いと言われ育った。

男子にモテた記憶もクラスで注目された経験もない。しかし親が褒めるので、私は自分自身を「大人しく目立たないけどクラスではこっそり人気の高嶺の花」だと思い込んでいた。

 

スタジオに入り、沢山ある衣装の中から真っ白なドレスを選んだ。頭にティアラを乗せて、真珠のイヤリングとネックレスをした。母もスタジオのお姉さんもカメラマンのおっちゃんも褒めてくれた。

「参ったなぁ、大人全員骨抜きじゃーん。ピンク?黄色?ノンノン、私ぐらい可愛ければ、シンプルに白で十分勝負出来っから。えっクラスで地味なあの子って実はめっちゃ美少女じゃない!?のパターンだわこれ。私の本気、見してやるよ!!」

ドヤ顔で鏡の前に立ち、大人が褒めちぎる自分の姿を初めて見た。

 

びっくりした。

ブスだった。

ブスだったっつーか、いつもよりブスだった。

頭に馬鹿みたいなティアラを乗せて海で遊んで真珠がくっついちゃった餅みたいな人間がそこにいた。

 

週3で姉からおさがりのトッポジージョのトレーナーを着ている私がドレスを着て普段より5億倍お姫様に近付いてるはずなのに何故かブス。

読み通り白というシンプルさが逆に顔面を際立たせ、完全に衣装に着られていた。

 

この世に生を受け7年目、

『滑稽』

この言葉の意味を理解した瞬間である。

 

 

呆然としたまま椅子に座らされ、餅の周りに白い羽が大量に舞い出す。天界から舞い降りし餅。

大人達が餅を褒める。笑って笑ってと声をかける。

もう私は分かったのだ、これは俗に言う世辞であると。

馬鹿野郎笑えるか!これのどこが可愛いんだ!?おいおっちゃん!カメラ向けてんじゃねえよ!!もう分かったから!許してくれよ…!羽散らすのやめてくれよ…!!!

 

今まで鵜呑みにしてきた親の「可愛い」という呪文よりも自身の目で確かめた「いやブスだろコレ」という現実が勝ってから、心の中は悪態と羞恥ともう帰りたい気持ちでいっぱい。

 

笑って欲しい大人達、可愛いと褒める大人達、笑いたくない私、可愛くないと知った私。

 

この世に生を受け7年目、

『空気を壊してはいけないのでとりあえず愛想笑い』

直感で処世術を身に付けた瞬間である。

 

その後出来上がった写真は、額縁に入れるサイズ、キーホルダーサイズ、そして何故かジクソーパズルとなって我が家に届いた。

いや地獄のパズルかよ。

ブラマヨ小杉さんの座りのいい笑顔にそっくりの私が徐々に出来上がっていくって地獄かよ。

 

押入れの奥底に封印し、私が二十歳を超えたあたりで掃除して出てきたのでジグソーは捨てた。他は知らん。

その後私は「もしかして皆言わないだけで私って可愛いんじゃね?」という思い込みから無事脱出し、目立たず害を出さずなるべく隅っこを歩くブスとしての正しい道を歩む事が出来た。

本当あの衝撃とその後の撮影は今思い出しても苦しくて夜中にアーーーッてなるが、あれがなければどうなっていたか分からない。自称めちゃモテ委員長(帰宅部)が出来上がっていたかもしれない。

良かった、良かった…。

 

思い出話をしてたらすっかり深夜だ…。

さぁーて、明日も、ねずみ色のカーディガンを着て仕事に行こう…。